おもちゃ制御Web Bluetooth内蔵型

ピッコリーネ内蔵型
ToySwitchの作り方

「おもちゃであそぼう」アプリから、ピッコリーネを操作できるように、ToySwitchを内部へ組み込む方法です。外から見ると普通のピッコリーネですが、電池を入れてスイッチを入れるだけで、アプリ対応のおもちゃとして使えます。

ピッコリーネの外観
完成イメージ 外観は通常のピッコリーネとほとんど変わりません。内部にToySwitchを組み込むことで、アプリから操作できるおもちゃになります。

作成意図

外付けケース型ToySwitchは、いろいろなおもちゃに取り替えて使える便利な方法です。ただし、毎回電池ボックスにBD配線を挟み込む必要があります。

ピッコリーネのように、ひとつのおもちゃを専用で使う場合は、ToySwitchを内部に組み込んでおくと、普通に電池を入れるだけで使えるようになります。スイッチや配線が外に出にくいので、準備も片づけも簡単になります。

このページでは、ピッコリーネの内部に、ESP32C3 SuperMini、DC-DC、MOSFETなどを収めて、アプリからモーターをON/OFFできるようにする流れをまとめます。

今回のページの考え方
取り付け位置が分かりやすいように、一度しっかり分解した写真を中心に説明しています。実際の組み込みでは、後半で紹介するように、首を外さず胴体部分を開くだけで取り付ける方法もあります。
声で動くタイプもあります
同じピッコリーネを使い、アプリやBluetooth接続を使わず、声や音に反応して動かす VoiceSwitchの作り方 もあります。アプリから操作したい場合はこのToySwitch、話しかけるだけで動かしたい場合はVoiceSwitch、という使い分けができます。
ピッコリーネ内蔵型ToySwitchをアプリで確認している様子
動作確認の様子 電池ボックスのスイッチを入れるとESP32のLEDが点き、アプリからToySwitchとして接続して操作できます。

最初に確認すること

分解すると元に戻しにくい部分があります。
ピッコリーネは、ぬいぐるみ部分が接着されていたり、尻尾や首元がはめ込みになっていたりします。無理に引っ張ると、パーツが折れたり、ぬいぐるみの接着が弱くなったりします。
100Vは扱いません
この作例は電池で動くおもちゃの内部改造です。100Vタイプより危険度は低いですが、ショートや発熱、配線の挟み込みには注意します。

必要な部品

内蔵型で使う部品は、外付けケース型ToySwitchとほぼ共通です。ただし、おもちゃの中に直接組み込むため、逆接防止用のPch MOSFETや、外付け接続用の3Pソケットは使いません。

内蔵型ToySwitchに使う主な部品
主な部品 ESP32C3 SuperMini、DC-DC、MOSFET、配線などを使います。内蔵型では、外付けケース用の接続部品は省略できます。
部品役割
ESP32C3 SuperMiniアプリからBLEで接続し、モーターを動かすための信号を出します。
DC-DC基板電池ボックスからの電源をESP32用に供給します。へこんだスペースに収めます。
Nch MOSFETモーターのマイナス側をON/OFFするスイッチとして使います。
ダイオードモーターの逆起電力対策です。写真では3Aを使っていますが、1Aでも十分です。
アルミシートモーター上の絶縁とノイズ対策として使います。裏面に絶縁層があるものを使います。
厚紙・両面テープ・収縮チューブ基板の絶縁、固定、配線保護に使います。
配線材電池ボックスやモーターにつなぐ太めの配線は、60mm程度が扱いやすい長さでした。
モーターにダイオードを取り付けたところ
ダイオード モーターのプラス・マイナスに合わせて取り付け、逆起電力を逃がします。
アルミシートと絶縁用の白い面
アルミシート 裏に白い絶縁面があるものを、モーター上の絶縁とノイズ対策に使います。
DC-DCとESP32を配置したところ
配置の目安 DC-DCはへこんだ部分、ESP32は厚紙で絶縁してモーター上に固定します。
MOSFETと配線を取り付けたところ
配線完了例 MOSFETは電池ボックスと外装に干渉しない位置へ取り付けます。

全体のしくみ

ピッコリーネの電池ボックスから電源を取り、DC-DCを通してESP32C3 SuperMiniを動かします。アプリから指示を受けたESP32がMOSFETを制御し、モーターのマイナス側をON/OFFします。

ピッコリーネ内蔵型ToySwitchのしくみ アプリ おもちゃであそぼう ESP32C3 BLE受信 GPIOでMOSFET制御 MOSFET モーターのマイナス側 ON/OFFスイッチ モーター 歩く・鳴く動き 電池ボックス DC-DCでESP32へ供給
ポイント
内蔵型では、ピッコリーネの電池ボックスをそのまま使います。電池ボックスのプラスからDC-DCのVIへ、電池ボックスのマイナスからDC-DCのGNDへ接続し、MOSFETからのマイナス線をモーターのマイナスへ接続します。

ESP32C3 SuperMiniへプログラムを書き込む

内蔵型は、外付けケース型ToySwitchと同じ考え方で動作します。ESP32C3 SuperMiniへToySwitch用プログラムを書き込み、必要に応じて番号を変更します。

番号を分けておくと便利です
複数台のToySwitchを作る場合は、番号確認・変更ページで ToySwitch00002 などに変更しておくと、アプリの接続画面で選びやすくなります。

分解と準備

まずは、取り付け位置が見えるところまで分解します。写真はタッチまたはクリックすると、大きく表示できます。

電池ボックス周りをドライヤーで温めているところ

電池ボックス周りを温める

電池ボックス周りをドライヤーで温めます。接着剤のような素材がやわらかくなり、ぬいぐるみ部分を少しずつ外しやすくなります。

後ろ足を外したところ

後ろ足を外す

最初に後ろ足を外します。ぬいぐるみを引っ張りすぎず、接着部分を温めながら進めます。

尻尾部分を外しているところ

尻尾部分を外す

尻尾は外しにくく、はめ直しも難しい部分です。折らないように、少しずつ慎重に外します。

前足部分を外したところ

前足を外す

前足部分も外し、胴体の外装が開けられる状態にしていきます。

首部分を外したところ

首部分を外す

首の周辺を温めながら、はめ込み部分を外します。後で戻す時に位置が分かるよう、構造を確認しながら作業します。

目のパーツをぬいぐるみ側から外しているところ

目のパーツを外す

目の部分はぬいぐるみに付いているため、ここもドライヤーで温めながら、頭のパーツから離します。

あごや口元と首の部分を外しているところ

あご・口元・首元を外す

あごや口元、首の部分も接着されているため、温めながら外します。無理に引きはがさないようにします。

頭を二つに分けて鼻のパーツを外したところ

頭を開いて鼻のパーツを外す

頭の4本のネジを外すと、頭が左右に分かれます。はまり込んでいる鼻のパーツを外します。

ぬいぐるみを外してスケルトン状態にしたところ

スケルトン状態にする

頭を仮に戻し、ぬいぐるみを外したスケルトン状態にします。内部の構造や動く部分を確認します。

頭を外して胴体を開いたところ

胴体を開く

頭を外し、胴体のネジ6本を外すと、内部が完全に見える状態になります。

モーター上と尻尾側の空きスペース

取り付け場所を確認する

モーターの上から尻尾側のスペースに、ToySwitchの部品を収めます。可動部に配線や基板が当たらない位置を確認します。

尻尾が折れかかっている場合の補修例

今回のピッコリーネは、尻尾が折れかかっていたため、補修も行いました。通常は必須の作業ではありませんが、同じように尻尾が弱っている場合の参考になります。

尻尾の折れかかった部品とタッカーの芯
補修前 折れかかった尻尾部分に、加工したタッカーの芯を使います。
加工したタッカーの芯
芯を加工 タッカーの芯を形に合わせて曲げ、コンロで温めて差し込みます。
尻尾の両側から芯を入れて補修したところ
補修後 両側から2本入れることで、折れかかった尻尾の耐久性を上げています。

ToySwitchを内蔵する

ここから、モーター周りのノイズ対策と、ToySwitch部品の取り付けを行います。

モーター後ろのセラミックコンデンサー

セラミックコンデンサーの位置を変える

後ろ側についているセラミックコンデンサーの位置を確認します。このあたりがモーターから比較的遠く、ノイズを拾いにくい位置なので、MOSFETを置きやすいように収縮チューブで付け直して位置を変えます。

不要なマイナス線を外したところ

使わない黒配線を外す

元のマイナスの黒配線は使わないため、外しておきます。新しいマイナス側の制御はMOSFETを通して行います。

モーターにダイオードを取り付けたところ

モーターにダイオードを取り付ける

ノイズの発生元になるモーターに、プラス・マイナスの向きを合わせてダイオードを取り付けます。写真では3Aを使っていますが、1Aでも十分です。

アルミシートと両面テープ

アルミシートを準備する

モーター上の絶縁とノイズ対策として、裏面に白い絶縁部分があるアルミシートを切り、両面テープを貼ります。

モーター上を拭いているところ

取り付け面をきれいにする

アルミシートを貼る前に、モーターの上などをアルコールタイプのウェットティッシュで拭き、油分やほこりを取っておきます。

モーター上にアルミシートを貼ったところ

アルミシートを貼る

モーターの上にアルミシートを貼ります。基板が直接モーターに触れないようにし、ノイズ対策も兼ねます。

DC-DCとESP32を配置したところ

DC-DCとESP32を配置する

DC-DCはへこんだ部分に入れます。ESP32基板は裏面に絶縁用の厚紙を貼り、モーターの上に固定します。

MOSFETと配線を取り付けたところ

MOSFETと配線を取り付ける

MOSFETはこの位置に取り付けます。電池ボックスに近すぎると外装がはまらないため、2〜3mmほど下から空けておくと安心です。DC-DCのVIへ赤線を電池ボックスのプラス端子から、DC-DCのGNDへ黄色のマイナス線を電池ボックスのマイナスから接続します。MOSFETからのマイナス線は、モーターのマイナスへ接続します。

アプリでToySwitchを確認しているところ

ふたを閉める前に動作確認する

電池ボックスの電源スイッチを入れ、ESP32基板のLEDが点くこと、アプリにToySwitchが表示されること、接続後に「おもちゃであそぼう」アプリから動作することを確認します。

胴体と頭を元に戻しているところ

胴体と頭を元に戻す

胴体部分は、ふいごの声が出る部分の棒に首元を差し込んでから足を元のように入れ、両側から挟み込んで6本のネジで固定します。頭も外した時と逆の手順で、首の止め部分や鼻をはさみ込み、4本のネジで固定します。ぬいぐるみを戻す時は、接着部分をドライヤーで温めながら取り付けます。接着が弱くなりやすい首元などは、ホットボンドを少し伸ばして胴体側に付けると接着しやすくなります。

首を外さない簡易方法

ここまでの写真は、取り付け位置が分かりやすいように全体を分解したものです。実際には、首を外さずに胴体部分だけを開いて、ToySwitchを取り付けることもできます。

首を外さずに胴体を開いたところ
胴体だけを開く 首を外さず、胴体のネジを外して取り付けたい部分を開きます。
針金で作った尻尾
尻尾の代用例 このチワワは尻尾部分のプラスチックが劣化していたため、針金で尻尾を作りました。ぬいぐるみをかぶせれば、左右に振れて尻尾の代わりになります。
首を外さずにToySwitchを取り付けたところ
簡易方法での取り付け この状態のまま部品を取り付けています。ここからなら、元に戻す作業も早く済みます。
実際の作業では
内部の構造や取り付け位置が分かっていれば、簡易方法の方が負担が少なくなります。初めての場合は、写真を見ながら可動部と配線の位置関係をよく確認してから進めます。

動作確認

配線が終わったら、ふたを完全に閉める前に動作確認をします。ここで動作確認しておくと、後から開け直す手間を減らせます。

ToySwitchがアプリで表示されている様子
1. 電源を入れる 電池を入れ、電池ボックスの電源スイッチを入れます。ESP32基板のLEDが点くことを確認します。
配線完了後の内部
2. アプリで接続する 「おもちゃであそぼう」アプリでToySwitchが表示されることを確認し、接続します。
組み立て前のピッコリーネ
3. 動きを確認する タッチ、オン/オフ、タイマーなどでモーターが動くか確認してから、胴体とぬいぐるみを戻します。
完成後の使い方
通常通りピッコリーネに電池を入れ、電池ボックスのスイッチを入れます。その後、「おもちゃであそぼう」アプリからToySwitchとして接続して操作します。

相談・問い合わせ

ピッコリーネ内蔵型ToySwitchに関心のある方、作り方について確認したい方、実際のおもちゃへの使い方について相談したい方は、下記フォームからお知らせください。すぐに対応できるとは限りませんが、相談内容に沿うよう対応させていただくとともに、今後の改良や情報整理の参考にしたいと思います。

ご感想・ご要望フォーム